霊感占いに誘われたのはどういう理由からだったのかは今となっては思い出せません。雪国で暮らしていた時のことであったのは覚えています。

農家を改造し、祭壇が置かれた部屋には老婆が一人座っていました。最初はその人が占い師とは到底思えませんでした。単なる農家の老人に見えたのです。

しかしながら占いの客はひきも切らないようで、随分待たされたことを覚えています。待たされた、ということは予約をして出かけたのでしょうか。そのあたりの記憶はあやふやなのです。

覚えているのは、そこへ誘ってくれた人の占い時間は20分ほどであったのに対し、自分の晩になると5分も時間が与えられなかったことです。実際はほんの数分であったように思います。

考えようによっては、相談するべきこと、助言をしてもらう必要さえ無いほど良い状態であったと言えます。しかしお金を払って数分で終わり、というのは少々納得が行かなかったのも事実です。もっと悩み深き人が後ろに居たのでしょう。